オーストラリア ビクトリア州、メルボルンに意思決定支援に関する組織・団体への視察
名川代表・水島副代表をはじめ、SDM-Japanのメンバーは日本財団様より助成をいただき、オーストラリア ビクトリア州、メルボルンに意思決定支援に関する組織・団体への視察を行ってきました。
意思決定支援の取り組みについて、研究者、アドボカシーグループ、障害のある人の親、専門職など様々な立場からの実践の現状を学ぶことが目的です。 9日にはビクトリア州にて、30年余り活動している、VALIDに視察に伺いました。 VALIDは障害のある人自身が、「選択とコントロール」をしていけるように、勇気づけ、力をひきだし、必要に応じてアドボケート(権利擁護活動)をされています。さらには本人のキャパシティの形成支援やコミュニティ開発まで手がけていらっしゃいます。
豪州には、NDISという、日本での総合支援法にあたるような制度があります。 その制度の中で、保護者、家族への教育・研修費が確保されているそうです。VALIDはビクトリア州からの依頼で、障害のある方のご家族へ研修を制度開始当初から担われてもいる、政府、地域、家族、当然ご本人からも、信頼の厚い団体です。 VALIDは、障害の有無にかかわらず、全ての人が基本的人権に基づいて、自分自身の意思で選択した人生を歩んでいけるよう、さまざまな方法でご本人の意思を抽き出す試みを継続されています。 例えば、ボランティアによる毎週の訪問や、ピアでのグループ活動、重度障害のある方へはサービス等を活用しつつ多様な経験を積み重ねるなかで、ご本人の選好を収集していく等、さまざまな方法が採用されていました。 そして、そこで抽き出された”意思”や”選好”が、本人へのサービス提供等に活用されるように、家族、サービス提供事業者、コミュニティ、行政(州政府)への働きかけも行われていました。
副理事長のDavidさんの、 「障害のある人は孤独であることがよくない、孤独ではないことを確認することで自分の気持ちを喋れるようになっていく」という言葉が私はとても印象に残りました。人は誰かとのかかわりの中で、「自分」や「自分自身の心からの希望」に気付けるのかもしれませんね。
以下は全体の旅程です。
8月9日 VALID (メルボルン)
12日 Dr Bruce Bonyhady & Dr Ilan Wiesel
Melbourne Disability Institute(メルボルン)
https://disability.unimelb.edu.au/
13日 Dr Derek McCormack, Dr Chris Tran
Parenting Research Center(メルボルン)
https://www.parentingrc.org.au/
14日 Ms Jaquie Mills, Ms Joanne Nunn
Microboards Australia(パース)
15日 Ms Erika Butters & Ms Sue Hobbs
The Personal Advocacy and Safeguarding Adults Trust(ウェリントン)
16日 Ms Sally Kedge
Talking Trouble Aotearoa NZ(オークランド)
Talking Mats Foundation Training
http://talkingtroublenz.org/talking-mats/
17日 Dr Piers Gooding
University of Melbourne(メルボルン)
https://law.unimelb.edu.au/about/staff/piers-gooding
20日 Dr Christine Bigby & Dr Jacinta Douglas(メルボルン)
Living with Disability Research Centre
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